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塾長百武党平が考えた学習塾の理想

  • 執筆者の写真: 百武党平
    百武党平
  • 2019年2月14日
  • 読了時間: 5分

百武党平はどういうところが塾として理想なのかを考えてみた。そこで思い出したのは自分自身が数学を学習していて、数学ができるようになってきた時のことだった。彼は理数系の教科を得意として、早稲田大学理工学部に進学した。大学での専門は建築であったので、数学を学習するために、都立大学(現首都大))の数学科に通いなおした。彼が数学をよく勉強したのは高校時代と、都立大学時代だった。数学の効率の良い学習の仕方がわかってきたのは、高校時代の末の頃だった。効率の良い学習の仕方がわかると数学が面白いように解けるようになった。それまではずいぶん遠回りをしていた。時間の使い方も勉強の仕方も効率の悪いものだった。「ほかの人も、能率の良い学習法を見つけ出すのは大人になってからかもしれない。そうなると、自分が会得した学習法を他人の子供に教えることは良いことかもしれない。」と思った。百武が考えた数学学習の理想の場所は、受験校といわれた高校の先生の授業でもなく、大学の数学の講義の時間でもなかった。数学学習の一つの理想は、図書館の隅で数学の問題集に没頭しているときだった。時間が過ぎるのも忘れて数学を解いている。このときこそが、数学が良くわかるようになっている瞬間である。頭はさえわたり、生きる歓びさえも感じてくる。こんな体験を子供たちにも味わいさせてあげたい。

しかし、難問にぶつかってしまうと、それを乗り越える苦労は大きい。乗り越えることそのものも大きな人生経験だが、小中学生にはまだ荷が重い。子供たちには、適切なヒントや指針を与えられる指導者が必要だ。…中略

百武党平が考えた理想の数学塾はこうだった。

(1) 精神が集中できる落ち着いた場所。そこは禁欲的であるほうがいい。

(2) わからない問題が出てきたときにいつでも訊けるベテラン教師がいること。

(3) 教師は生徒に教えすぎてはいけない。相手の生徒の状態にもよりけりだが、多くの場合ヒントや指針でよい。あくまで考えるのは生徒であるべきだ。生徒の頭を使わせてこそ、生徒の頭が良くなる。

(4) 90%自学自習が可能な教材があること。手作り教材であることが望ましい。

(5) 教材が、わかりやすく、学習者の頭脳を鍛えるのに適切な難易度であること。

(6) 「単なる技術やパターン学習」で数学を解くのではなく、数的な感性を育てるところまで高めること。数学ができる人は、ひらめきがあるなどというが、このひらめきは数学の平衡感覚を感性でとらえる人でないと出てこない。

(7) 大脳が働いているのに呼応して、鉛筆が動いていること。

(8) 先生からの説明はポイントや考え方の原理の説明など短時間であることが望ましく、大半は生徒が問題を解くことに熱中している。このことは生徒の理解がどう進んでいるかという観点から言えば、次のようになる。先生から説明を受けている間というのは「なんとなくわかった。」という状態だ。そのあとで、生徒が問題を解き始めて、「ああそういうことだったのか。」という少しわかった状態になり、いろいろな種類の問題をがんがん解く頃には「よくわかったぞ」の状態になっている。この状態にならないとテストでいい点数を取れるようにはならないし、また数学の楽しみも感じられない。

(9) わからない問題が出てきたときに、「先生、わかりません。」と言う生徒を評価する環境。わかっていないことに、ついついわかった顔をしてしまうことは数学の教室にはふさわしくない。授業が終わって、教室を出るときにはわからないことがゼロになっていなくてはならない。そのためには、わからない問題が出てきたときに、「先生、わかりません。」と言う生徒を誉めることも必要だ。

(10) 教える教師がこの理想の持ち主であること。

(11) クラスの人数は、教師が生徒一人一人の様子を察知できる程度であること。

(12) 教師は、医者のように生徒一人一人の個性や過去における数学の欠落したところを見つけ出して、その治療をし、少しずつ欠落を埋めるようにするべきだ。

(13) 生徒を無理に速く成長させようとしてもかえって無用のトラブルを招くことになる。しかし、生徒を優れた環境に置けば、草木のようにすくすく伸びていく。教師は、生徒個々人がもっている本来の生命力を目覚めさせ、豊かな土壌と太陽の恵みと爽やかな風の中で、自らの力で成長する姿を見守るべきである。

(14) 生徒の集団と教師の関係:数学を学習しているときは、生徒同士の関係はできるだけ断ち切って、教師と生徒が1対1の関係になるほうが良い。この関係を生徒の人数分作る。仮に、生徒が生徒に教えると、数学では、教える側の生徒の能力は伸びるが、教えられる側の生徒の能力は伸びなくなることが多い。これでは全員を良くすることはできない。生徒同士は、むしろ心の絆で結びついていくのがよい。いつもは友人として、時にはライバルとして。

(15)教師は生徒の成長に合わせて課題を出すべきだ。小学生時代は、学習量は多くなくていいが、基礎力はしっかりと身に付けさせたい。(またこの時期の柔軟な頭脳を良質な問題で鍛えると頭そのものが良くなり、数学好きの生徒を育てることができる。)中学生になってからも、前期(中1~中2の始め)なら基礎力からしっかり鍛えていけば、かなり良い結果を期待できる。したがって、ある程度の量を学習することになる。後期(中2終わり~中3)となると、誰もが良い結果を求めてくるので、学習量、内容ともにレベルアップするべきだ。(この段階ではすでに基礎力ができていなくてはならない。

 
 
 

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